中東での出稼ぎCAの備忘録✈

自分の常識は世界の常識ではなかったということに気づかされ、常識を破られる日々

Same Same but Different! Part①

今回のお題は一大トピック。その名も

『Incredible India~信じられない未知なる世界~』

長文になることを覚悟しますが、絶対に裏切らないネタを約束します。

 

まず中東に来る前にインディアについて思っていたことといえば、カレーが美味しくて頭にターバンみたいなのを巻いてる人がたくさんいるヨガの聖地。みたいなほんとざっくりとした適当なイメージ笑。

ただ今は違います。知りすぎてしまったがゆえに、インディアについて語ったらもうどにも止まりません。(以下インド人については中東クルー用語の[通称ドイン]として呼ばせていただきます)

 

ここ中東には私の勤める航空会社だけではなく、本当にたくさんのドインが出稼ぎに来て生息しております。初めてのインドのフライトから帰ってきたときに、セキュリティもドライバーもクリーナーもレストランの店員もみーんなみんなドインで、ここはまだインドなのか。。。と寝ても覚めても周りはドインな環境を目の当たりにし、ここでドインと共に共存していく覚悟を決めました。 

 

ドインは人口がはんぱなく多いのでひとえにこうだ!と決めつけてしまうのは申し訳ないですが、経験上から勝手に決めつけさせてもらうと笑

「人のプライベートゾーンにずけずけと土足で入ってくる天才」

ではないでしょうか。いい意味でも悪い意味でも笑。だから言ってしまえばとってもフレンドリーで「ヘイ、マイフレンド、ギブミーウィスキー・ウィスキー」とニカーって満面の笑みでとても人懐っこく迫ってくるんです。でもそれと同時にうっうざい…という感情が込み上げてくるんです笑

 

私の初めてのインドフライトはアハメダバートというわけわからん名前の都市でした。先輩クルーからドイン線はまじできついからと口をそろえて言われてきたので、だいぶ構えてフライトに臨みました。
ボーディングの時点で、今まで見たことのない膨大な手荷物の量を見て驚愕したことを今でも鮮明に覚えています。そうみんなUSに行く移民の方々なのです。引っ越しの為のありとあらゆるグッズを持ち込んでいるのです。鍋とか、スパイスとか、布団とかもうなんでも笑。そう、中東はインドとアメリカを最短・最安値で繋ぐトランジットスポットなのです。(だからUS線も99%ドイン。想像してみてください、14時間のインド線…泣けてきます)

そしてサービスが始まり、最初のお客さんに「チキン or ベジタリアン?」と聞くと「ノンベジ、ノンベジ」と首を横に振りながらそう答えるのです。

…むむむ、まずノンベジとは…Not ベジタリアン…あぁぁぁチキンね!そして確認のため「May I offer you Chicken?」と聞くと、また笑顔で首を大きく横に振るんです。
この首振りは…ワッツ!?ノーなのかなんなのか。世界一般常識からすると顔を横に振るのはノーという意味であるが、ここはincredible India。しかも顔だけではなく、首から思いっきり横に振っているので、このジェスチャーはなんなんだ!?なにを示しているのだ!?とキャビンを見渡してみると…


みんな首振ってる。しかも笑顔で。そうみんな揃って首振りカスタマーwww

そして私は確信した。これは彼らのYESという意思表示。ドインと心が通った瞬間w

そして次にドリンクのサービス。「 What would like to dr...」まだ私の問いかけが終わる前におもいっきりかぶせて「ハードドリンク、ハードドリンク!!」

ハードなドリンク?!固い…いやそれとも激しい。なにが欲しいかよくわからないため、とりあえずカートにあるお酒にひとつひとつ指をさしていって、確認したところ

「ノン、ノン!!」と首を横に振る一方。

ワッツ!?また首振ってるけど笑!!でも今度は笑顔じゃなくて若干しかめっ面で顔の角度が微妙に下がり気味。
そしてウィスキーを指した瞬間、「イェエエエス、マイシスター!」と笑顔で首を振ってきた。そう彼らのいうハードドリンクとはウィスキーのことだったのです。そして、彼らにとってはイエスでもノーでもとりあえず首を振るんです。頷く感覚で。首振り具合と表情の変化と顔のうつむく角度からイエスかノーかを瞬時に判断しなければならないのです。(これがわかったら晴れてドインマスター笑)

ウィスキーをダブルでなみなみ注いで、次のお客さんにカートを進もうとした瞬間、
「シスタシスタッ!ワンモア」と私の腕をつかみ、グラスを差し出してきました。

え…いま飲み物あげたばっかじゃん…飲むの早すぎだし、ウィスキーってショットじゃないし、そもそも私はあなたのシスターではない…と思ったのも束の間。これが to be continued...Forever…サービスが終わらない~~~ギャレーが遠い向こう側に…だれか…ヘルプミー。
そんな感じでしっかりとドイン線の洗礼を浴び、初フライトを異文化交流という形で終えました笑。

まぁもちろん全員が全員こんな感じではないですよ、普通のお客さんも普通にいます。んーーーでもだいたいの人がこんな感じ笑。あるもの全部くれ精神ってやつです。彼らの貪欲な精神、控えめな日本人からしたら理解できないレベルですが、学べることはあるのかもしれません…ね?

やっぱりドインについて語ったら語りきれない!!笑
今度はUS線バージョンでパート2を書きます。