中東での出稼ぎCAの備忘録✈

自分の常識は世界の常識ではなかったということに気づかされ、常識を破られる日々

気付いたら…ラマダーン4回目!?

最初の記事を書いてから早くも7か月が過ぎており…気楽にマイペースに書くと宣言した結果、三日坊主を極めました笑。

 

さておき、この7か月の間に砂漠生活3年コンプリートをし、エコノミークラスを卒業し、ビジネスクラスに昇進しました。月日は流れるのはとても早く、今年で砂漠生活4年目に突入し、ラマダーンもかれこれ4回目。慣れってコワイですね、もうなにも抵抗も恐れることもなくなりました。

 

ラマダーンラマダーンと言っておりますが、日本では全く馴染みのないこのイベント。イスラム圏の国ではスーパービッグイベントとして毎年開催されております。私のような出稼ぎで来てかつイスラム教ではない一般人からすると、〈一か月間太陽が出ている間全ての飲食店が閉まり、お酒が一切公共の場で飲めない〉という言ってしまえば生き地獄のような日々なのです。豚肉はもちろん普段から食べられません。

 

イスラム教徒の人たちからすると、それはそれはとても大切なイベントで、日中飲食は一切せず、敬虔な人はつばさえも飲み込まないといいます。飢餓で苦しむ貧しい人々の気持ちを理解し、断食した分のお金を貯めてイスラム教の貧しい地域の人々に寄付をするというのが本来のコンセプトらしいです。

ラマダーン中にはイフタールという日没後初めてとる食事があり、家族や友人と一緒に伝統的な料理を楽しむことが日課とされています。

 

しかしこの断食ですが、イスラム教のエアラインクルーにとって、とても困難な状況に陥ることが多々あるのです。普通に生活していればその住んでいる国の日の出から日没のタイミングに従えばよいのですが、昼夜関係なしに世界各国飛び回り、かつ時差がある中で断食をするのはすごく難しいと彼らは嘆いていました。言ってしまえばずっと夜ならいいんです笑。でも夏の北欧とか日が全く沈まなかったり、朝出発してずーっと西に進んでいたりすると太陽が一向に沈まないんです。となると彼らはたまに24時間近く飲食できない環境に陥り、もう仕事どころではなく、イライラと疲れと空腹に耐えられずいわゆるDEAD。私はそんな彼らの目の前で食事をすることをためらうこともありました。でも食べ物を進めることももちろんできないし…。宗教や文化を理解することは難しいけれど、敬意を払いリスペクトすることはとても大切だと感じました。

 

一日一緒に働いたクルーと共に、断食が終わる日没までのカウントダウンを一緒にやったことがあるのですが、散々我慢した後に解放された瞬間の彼らの輝きと幸福感…今でも忘れません。欠食児童のような勢いですごい食べます。飲みます。すかさずおかわり用の食べ物と飲み物スタンバイさせておきました笑。

そしてラマダーン後によく聞くのは「もうイフタールで食べすぎちゃって4キロ太っておなかパンパンでユニフォームはいらなーいww」とか。「ラマダーンでお金貯めて○○買っちゃったっへへ」とか。

この断食…やったことのない私から言ってしまうのもなんですが、はたから見て、本来のコンセプトは何処へ…というのが本音です。

 

まぁ実際日中のフライトはイスラム教のお客さんはなーーーんにも頼んでこないので、一瞬でサービスが終わります。いつもあれこれこれくれって言ってくるのに、その間はとてもおとなしくなるので、そこは感謝です笑。ただ日没後のフライトは言わずもがなカオスですが(T_T)